近年、生成AIのブームが続いており、その中で「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」という言葉を目にすることが多くなりました。しかし、IT系の研究者でも、意外とこの技術について深く理解していないことがあります。そこで、今回は改めてRAGとは何かを解説します。
きっかけ
ある日、研究者がChatGPTに自身の専門分野のマニアックな用語について尋ねました。すると、ChatGPTはその研究者の名前まで含めて正確に答えることができたため、その研究者は非常に驚き、喜んでいました。そして、「この用語がChatGPTが学習するほど浸透しているのだ」と語っていました。
誤解
ここで一つ誤解が生じています。「ChatGPTは学習したことしか返答できない」と思われがちですが、これは必ずしも正確ではありません。ChatGPTには特定の学習データのカットオフがあり、その後の情報については直接答えることが難しいというのは事実です。しかし、RAGを使用することで、この制約を超えて未学習の情報にも対応できるのです。
RAGとは?
RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、質問に対して返答する前に、ウェブ検索などを通じて外部の情報を取得し、その情報を元に回答を生成する技術です。これにより、モデルが学習していない情報に対しても、正確な返答を提供することができます。
例えば、「今日何がありましたか?」という質問に対しては、今日の出来事に関する知識が必要です。しかし、新聞を渡されて「今日何がありましたか?」と聞かれた場合、新聞の中から情報を要約して答えることができます。これは、国語の文章題と同じ原理です。
結論
先ほどの研究者のケースでは、ChatGPTがマニアックな用語について答えることができたのは、モデルがその用語を学習していたからではなく、RAGの技術を使用して、その場でその用語の意味を調べたからです。そして、その用語を解説しているのが研究者本人のページだったため、ChatGPTの返答にその人の名前が含まれていたのです。
RAGは、生成AIが持つ可能性をさらに広げる技術です。今後も、このような高度な技術を活用して、より正確で有用な情報を提供することが期待されています。
このブログ記事では、生成AIブームの中で注目されるRAG(Retrieval-Augmented Generation)について解説しました。RAGの技術を理解することで、AIの可能性をさらに広げることができるでしょう。ぜひ、この機会にRAGについて深く知ってみてください。
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